京都コンピュータ学院(KCG)・京都情報大学院大学(KCGI)などで構成するKCGグループの長谷川亘統括理事長が,12月3日に東京で開催された政府主催「国際女性会議WAW!(WAW!2022)」に参加し,内外トップリーダーたちとの議論を展開しました。一般社団法人日本IT団体連盟(IT連盟)代表理事・筆頭副会長として招かれた長谷川統括理事長は,教育者でもある立場からわが国の教育制度などについて提言。会議はオンラインでライブ配信されたほか,全国の自治体が設けた視聴会場でも公開されました。
WAW!はWorld Assembly for Womenの略称。日本政府の最重要課題の一つであるジェンダー平等と女性のエンパワーメントを国内外で実現するための取り組みの一環として,2014年に初開催されました。世界の活躍するトップリーダーが参加して,さまざまな課題を議論し,その成果は国連文書に登録しています。第6回会議は2020年4月に開催予定でしたが,新型コロナウイルス感染拡大で延期となり,この日は2019年以来3年ぶりの開催となりました。
今回第6回会議のメインテーマは「WAW! for Mainstreaming Gender into a New Form of Capitalism 新しい資本主義に向けたジェンダー主流化」。岸田文雄首相の開会あいさつ,アイスランド共和国大統領と国連事務次長兼国連女性機関(UN Women)事務局長の基調講演などに続き,分科会・特別セッションで議論・意見交換しました。
長谷川統括理事長は,「分科会3:女性とデジタル・STEM教育」に登壇しました。STEM教育は,Science(科学),Technology(技術),Engineering(工学),Mathematics(数学)に力を入れることで,科学技術の発展に寄与できる人材を育てる教育システムを指します。
席上,長谷川統括理事長は「STEM分野の女性比率が伸びないのは,わが国の教育制度に大きな原因がある」と発言。「第一には,高等学校の進路指導部や担任による『女子は理工系に進学すると大変だ』という偏見に基づいた進路指導に大きな原因がある。第二には,受け入れ先の『大学』を含む『高等教育制度』に原因がある。私立大学は費用の掛かる理工系学部を開設・設置することがかなわず,高校卒業時点で数学が優秀でも,受け入れる大学側の収容定員が少ない」などと指摘しました。そのうえで「高等学校における文系出身の教諭たちに,理工系に生徒を進学させる施策を取る」「教育制度以外の面でも対策を考えていくことが必要である」ことを提言しました。
IT連盟は,2016年に発足した日本のIT関連企業約5000社,総従業員数約400万人で構成される60以上の団体が結集した日本最大級のIT関連団体の連合体で,設立に中心的な役割を果たした長谷川統括理事長が当初より代表理事・筆頭副会長を務めています。各団体の会員企業では,KCGグループが輩出した,女性を含む多くの卒業生・修了生が活躍しています。