KCGグループが2013年に迎える創立50周年を記念した講演会が,KCGIに事務局がある情報システム学会日本支部(NAIS)※ との共催で,KCGIの創立記念日にあたる11月1日,京都情報大学院大学 京都駅前サテライト大ホールで開かれました。創立50周年記念講演会としては第一弾で,学生のほか,大勢の一般の方々も聴講に訪れました。一般社団法人 デジタルメディア協会 専務理事(元 富士通株式会社)の村上 敬一氏が「コンテンツビジネスの動向と課題」として講演,コンテンツビジネスに求められる人材として村上氏は,業界での長い経験をもとに「とにかく耐えるしぶとさと,チャレンジ精神を持ち合わせていないと生き残れない」と強調し,「コンテンツ開発にはコラボレーション能力も重要な要素。人脈も大切なので,日ごろから他人に多くの貸しをつくっておくくらいの気持ちが必要」と話しました。
村上氏はコンテンツビジネスの市場規模や 制作・流通システムの仕組み,ビジネスに立ちはだかる著作権の問題などについて説明した後,ビジネスを世界的に展開していくうえでの課題として▽国情の違いへの対応▽宗教への配慮▽有害情報の配慮-などを列挙。近年,韓国がコンテンツビジネスで飛躍しているとし「以前,米国は国策として,ハリウッド映画を使って全世界に米国文化・製品を普及させた。韓国も同じような手法で,東南アジア市場を席巻しようとしている。日本の奮起が求められています」と訴え「クリエイティブ,プロフェッショナルな人材の育成が待たれます」と述べました。
村上氏は1979年に富士通に入社し,富士通研究所医療機器研究部において超音波診断装置の研究開発の立ち上げに参加。医用画像ネットワークやISDN-TV電話を用いた住宅ケアシステムの開発などを手掛けられました。明石研究所時代には,PCを主とするパーソナル機器の研究開発に従事。モバイルPCの小型軽量化長時間動作化では,当時PC関係最大の展覧会であるCOMDEXで大賞を受賞しています。ITメディア研究所,ユビキタスシステム研究所を経て,2008年からデジタルメディア協会の専務理事に就かれています。
講演会に先立って挙行されたKCGI創立記念式典では,茨木俊秀学長が「KCGグループは2013年に創立50周年を迎えます。これを機会に本学の建学の精神であるパイオニアスピリットをもう一度思い起こし,さらなる発展に向けて歩んでいきましょう」とあいさつしました。
一般社団法人 デジタルメディア協会 専務理事(元 富士通)
※情報システム学会日本支部(NAIS)
国際的な情報系の学会であるAIS=Association for Information Systems= の日本支部。京都情報大学院大学内にオフィスがある。