質の高いMBAプログラムなどで有名な米国ヴァージニア大学のダーデン・ビジネススクール(Darden School of Business)の学生50人と教職員4人が,2017年5月12日,京都コンピュータ学院(KCG)京都駅前校を訪問しました。同校が毎年開催している海外研修の一環で訪れたものです。一行は長谷川晶理事長から歓迎のあいさつを受けた後,さっそく駅前校1階のKCGコンピュータミュージアムを見学しました。この資料館は情報処理学会によって2009年に「分散コンピュータ博物館」の第一号として認定されており,「情報処理技術遺産」に認定された数々のコンピュータが展示・保存されています。学生たちは長谷川晶理事長の説明を聞きながら,今や米国でもなかなか見ることのできない,時代を画したコンピュータの名機を興味深げに見ていました。
続いて大ホールで,柏原秀明 京都情報大学院大学(KCGI)教授と長谷川亘KCGグループ統括理事長による英語での講演を聞きました。柏原教授は「日本におけるITプロジェクトの管理」と題して,日本独特のボトム・アップ形式の会議スタイルである「RINGI(稟議)system」や,会議では出にくい本音でのフィードバックがなされる「After 6」(就業後)の居酒屋でのコミュニケーションの重要性など,調和重視の日本型意思決定プロセスについて紹介しました。
長谷川亘統括理事長はKCGの創立理念やKCGグループの教育理念について説明した後,近年世界から注目を浴びているマンガ・アニメなどの日本のコンテンツ産業と,KCGIとKCGで行われているアート・コンテンツ関連の授業について詳しく紹介しました。特に,クリプトン・フューチャー・メディア株式会社 代表取締役でKCGI教授の伊藤博之氏が開発したボーカロイド「初音ミク」のプロモーション・ビデオには,強い印象を受けたようでした。講演後は学生から,RINGI systemの進行過程,KCGIやKCGの教育内容,クール・ジャパンの政策などについて質問が相次ぎ,講演内容についての高い関心をうかがわせていました。4時間あまりの短いKCG訪問でしたが,見学は終始なごやかでリラックスした雰囲気で進み,KCGグループの先端的なIT教育について理解を深めてもらえたようでした。