京都情報大学院大学第2代学長で,オペレーションズ・リサーチ研究の世界的権威の,長谷川利治(はせがわ・としはる)先生=京都大学名誉教授=が11月28日,逝去されました。77歳でした。オペレーションズ・リサーチ分野のみならずシステム工学,通信方式,道路交通制御分野においても多大な貢献をされたほか,本学の教育の展開に多大なるご寄与をいただきました。謹んで哀悼の意を表します。
通夜,葬儀は密葬にて,身内だけで営まれたということです。
長谷川利治先生は大阪大学工学部卒,同大学院修了,工学博士。京都大学工学部教授,同大学院教授,同大学情報処理教育センター長,同大学大型計算機センター長,南山大学教授・数理情報学部学部長などを経て,2008年4月から京都情報大学院大学学長に就任されました。またこの間,日本オペレーションズ・リサーチ学会会長,国際オペレーショナルリサーチ学会連盟(IFORS)副会長,情報システム学会日本支部(NAIS)支部長などの要職を歴任されました。
研究活動の初期にテーマとされた通信工学の分野においては,世界に先駆け,非同期時分割多重方式によるマルチメディア通信方式をすでに1960年代前半に提案されています。京都大学に移られてからは,オペレーションズ・リサーチ分野に研究領域を広げられ,待ち行列などの理論的研究のみならず,その応用分野として「道路交通制御」の現実にも関わり,新交通システムや高速道路制御などの領域において実用的な業績を残されました。また多くの後輩の育成にも尽力されました。
真面目で温厚なお人柄で人望も厚く,時代の先を読む見識の深さに周囲の研究者たちは敬服していました。心よりお礼申しあげるとともに,安らかなご永眠をお祈りいたします。