2022年5月1日は京都コンピュータ学院(KCG)・京都情報大学院大学(KCGI)・京都自動車専門学校(KCGM)などKCGグループの59回目となる創立記念日でした。学生,教職員一同がこれまでの教育・研究成果を祝うとともに,建学の精神であるパイオニア・スピリットとKCGの教育理念,今後も進化し続ける情報社会を担う使命などを改めて確認し,さらなる飛躍を誓いました。創立記念日に合わせ5月6日,KCGIの藤原隆男教授が「『常識』のアップデート~間違いだらけの潮汐(ちょうせき)力~」と題して記念講演しました。新型コロナウイルス感染の終息が見通せない中,感染予防のためサイバースペースでの実施でした。
KCGグループは1963年5月1日,京都大学宇宙物理学研究科(宇宙物理学教室)出身のグループにより立ち上げられた,大学の学術研究者対象の「FORTRAN研究会」が礎です。創立者である長谷川繁雄 初代学院長先生と長谷川靖子 現学院長先生がコンピュータの可能性をいち早く見いだし,情報処理技術者を育成しようという信念と情熱,パイオニア・スピリットを抱いてつくった,わが国初のコンピュータ教育機関でした。
1969年には,コンピュータ技術者養成のための日本で最初の全日制学校・京都コンピュータ学院が誕生。その後今日まで発展を続け,これまでに学院を巣立った卒業生は約5万人を数えます。2004年には,わが国初で唯一のIT専門職大学院として京都情報大学院大学が創立されてグループ校に加わりました。それぞれの卒業・修了生たちは,日本と世界のIT産業の牽引,発展に貢献しています。2013年には,京都で最も歴史がある自動車整備士養成校の京都自動車専門学校も,グループの仲間入りをしました。
記念講演で,宇宙物理学が専門の藤原教授は潮の満ち引きの原因である潮汐力を取り上げ,何十年も学校で教えられてきた“潮汐力は月による重力と公転運動による遠心力の合力”は間違いと説明。「遠心力」は「慣性力」としなくてはいけないことを分かりやすく解説しました。そして「常識がいつも正しいとは限らない。教科書も正しいとは限らない」「ネット上の情報は玉石混交だが,うまく使えば真実に近づくことができる」ことを指摘,「何事もうのみにせず,真偽を見極めようとする姿勢を忘れないようにしてください」と話しました。