CGアニメコンテストの30周年とKYOTO CMEXの10周年を記念したプレミアム上映会が2018年10月14日(日),京都コンピュータ学院(KCG)京都駅前校 6階大ホールで開かれました。過去10年間の入選作品から選りすぐりの名作を上映されたほか,文化庁による若手アニメーター育成事業「あにめたまご2018」で制作した「TIME DRIVER 僕らが描いた未来」の原案・監督を務めたCGアニメコンテスト入賞者の山元隼一さんの講演もあり,訪れたアニメファンやKCGの学生たちを楽しませました。
CGアニメコンテストは自主制作のCGアニメ作品を対象とした国内で最も伝統のあるコンテストで,株式会社 ドーガ(本社 大阪市浪速区日本橋西2-5-11,鎌田優代表)の運営により1989年から毎年開催,2009年からはKYOTO CMEX(アニメ・マンガやゲームといった日本を代表するエンターテインメント・カルチャーの発祥の地である京都市が,産学連携により国内外へコンテンツを広く発信しようと企画された組織)のイベントとして続いています。これまでに,多くの人材を輩出し,劇場アニメ「君の名は。」監督の新海誠さん,TVアニメ「けものフレンズ」監督のirodori たつきさん,NHK番組「びじゅチューン」アニメ担当の井上涼さんらは同コンテストで入選経験があります。
プレミアム上映会では,2009年コンテストで入選した「セカイ系セカイ論」(山本蒼美さん)を皮切りに,各年の入選作品の一部を上映,制作者が壇上で作品について説明する機会もありました。
この後,「TIME DRIVER 僕らが描いた未来」の上映を経て山元さんが講演しました。山元さんは九州大学の学生時代に自主制作アニメーションを手掛け,CGアニメコンテストでは2009年に「memory」で佳作,2011年には「Anemone」で入選に輝いています。最近では「ポプテピピック」の「星色ガールドロップ」パート監督,「君の名は。」や「ニンジャバットマン」などに参加している今後の日本のアニメーション界を担う若手クリエイター・監督です。
山元さんは自主制作をするメリットとして「監督,脚本,絵コンテ,作画,CG,合成,編集とアニメーションすべての工程を経験できて総合力が付きます。そしてコンテストに出場すれば自分の作品を客観的に評価され,仲間やライバルができ,自信につながることも多い。ぜひチャレンジしていただきたい」とし「コンテスト受賞から才能が認知されるまでには10年近くかかるようです。でも2018年秋クール(約3カ月間)では60本以上のTVアニメが作られるなど人気は続き,とりわけ新海誠さんをはじめ個人作家出身の監督が注目を浴びています。みなさんも頑張ってください」と訪れた学生らにエールを送りました。
CGアニメコンテスト プレミアム上映会は11月11日に横浜市,同17・18日にロンドンなど,国内外の会場で開催される予定です。