KCGグループ=京都情報大学院大学(KCGI)・京都コンピュータ学院(KCG)=と船舶用電子機器など製造販売大手の古野電気株式会社(本社:兵庫県西宮市芦原町9-52,古野幸男社長,東証1部上場)が産学連携協定を結んだことを受け,交流の第一弾として同社船舶機器事業部 営業企画部の森 正幸担当部長による学術講演会「海上ITの現状と将来」が1月30日,京都情報大学院大学 京都駅前サテライト大ホールで開かれ,学生や教職員が聴講しました。森氏は,1948年に世界で初めて魚群探知機の実用化に成功し,現在は船用電子機器分野で世界トップシェアを誇るまでに至った古野電気のこれまでの歩みを紹介し,学生たちに対して「業界が求めているのは“とんがった”SE。これだけは誰にも負けないという優れた技術,問題を発見し解決する能力,そして技術を正しく伝え表現する技量を持った人材となれるよう,勉学に励んでください」と学生たちにエールを送りました。
森氏は古野電気の紹介の冒頭,「当社は『安全安心,環境に優しい社会・航海の実現』をビジョンに掲げて事業展開しています」と強調。魚群探知機に続き漁業用無線機,船舶用レーダー,GPS航法装置を開発し,現在の船舶電子機器の世界シェアは商船向けで16%,プレジャーボート向けで9%,漁業向けで44%とトップを占めているとしました。国内子会社9社,海外子会社25社,販売拠点は84カ国に及び,グローバルに事業を繰り広げていることも披露しました。
技術的な面では,魚群探知機・ソナー,レーダー,GPS,衛星通信機の仕組みや,開発した製品について解説していただきました。裏話として,気象レーダーの開発について触れ「担当した同社の技術者は神戸市在住。神戸では2008年に集中豪雨が発生し,子どもを含めたくさんの人が濁流に流されるなどして被害に遭いました。この技術者は,同じようなことを繰り返してはならないと,急な天候変更などが予知できる気象レーダーの開発に情熱を燃やしたのです」と話していただきました。さらに同社は,製品作りにおいて環境,温度・湿度,振動・衝撃,防水など試験に力を入れているとし,実際の試験の様子を動画で紹介していただきました。
KCGグループと古野電気は1月29日,古野電気本社で産学連携に関する協定書を締結,両者の学術交流,協力関係の構築をもとに ▽ 教員・学生と研究者の交流 ▽ 共同研究および研究会の実施 ▽ 学術上の情報・刊行物および資料の交換-などを進めていきます。
古野電気株式会社
http://www.furuno.co.jp/