2月19日(火),札幌市のホテルオークラ札幌におきまして,kcg.eduグループ創立50周年,京都情報大学院大学札幌サテライト開設一年を記念する講演会「ここ札幌から世界に発信しよう」を開催しました。北海道のIT業界を代表するお二人が講演し,多くの参加者が興味深く耳を傾けました。
最初に講演したのは北海道大学大学院情報科学研究科教授・産学連携本部副本部長の山本強先生です。サッポロバレーの語り部とも言われる山本先生は,「IT分野の産学連携――サッポロバレーの現在・過去・未来」と題し,学生時代,CG画像の研究に熱中した日々からIT企業の設立への出資,企業への参画など,産学連携の主役として活躍した軌跡を振り返りました。そして「変化を追いかけるのではなく,自ら提案していかなくてはならない。今ある技術から何ができるのかを考えるのでなく,『こういうことをしたい』というところから技術を開発していく『バックキャスト』の発想が重要だ」と語りました。
次に講演したクリプトン・フューチャー・メディア株式会社代表取締役の伊藤博之氏は,「Think Global, Act Local」と題し,同社が生み出したバーチャル・シンガー「初音ミク」が,魅力的なキャラクター設定をきっかけに「創作の連鎖」を生み,世界中で熱狂を巻き起こしていく過程を振り返りました。伊藤社長は「従来型の産業がトップダウンで,『資金・社歴・コネ』のある者が優位性を持つのに対し,これからの創造型経済はボトムアップで『共感』『個人』が重要で,クリエイティブと巻き込む力が優位性を決める」と話しました。
会場をぎっしり埋めた参加者は講演に聞き入り,質問も飛び出しました。講演会終了後の懇親会にも多くの参加者があり,札幌のIT産業の未来について,熱く語り合っていました。
なお,講演会の一部の模様は,こちらからご覧いただけます。
http://www.ustream.tv/channel/kcg-edu