京都情報大学院大学(KCGI)の江見圭司准教授が「eラーニングアワード2017フォーラム」で,KCGIと京都コンピュータ学院(KCG)が,マクセル株式会社および一般社団法人 野菜プラネット協会と産学連携で共同開発した「机上投射型電子黒板システム」について発表しました。机上投射型電子型黒板システムは,机上に映像を投影し,その映像をインターネット経由で複数の地点で共有することで,離れた場所でも,映像を通して円滑にコミュニケーションを進められるeラーニングなどのための機材です。机上型なので学習者はお互いに顔を見合わせて議論でき,机上の映像には手で直接書き込むことも可能で,その映像も遠隔地点の学習者に即座に共有されるので,離れていても違和感なく学習を進めることができます。映像・テキストなどのコンテンツも再生できるほか,机上での映像の進行も逐一クラウドに蓄積されていくので,授業の進行を後日確認することも可能です。
江見准教授は,「机上投射型電子型黒板システムを用いたアクティブ・ラーニング」と題した発表の中で,初心者には継承が容易ではない農作業のような職人的技能を教えるのに,このシステムが有効であることを解説し,一般に15年はかかるとされるイチゴ栽培の技術を3年で修得した実証実験の事例も紹介しました。このフォーラムは,日進月歩で進歩するICTを学校や企業での学習に積極的に活用するために,eラーニングを実践している教育者・研究者が一堂に会して豊富な事例を紹介し,活発な議論を促すための会合で,ソラシティ カンファレンスセンター(東京都千代田区)で10月25~27日の期間に開催されました。
KCGIでは,eラーニングなどのICT活用の学習機会が拡大している状況に対応して,「メディアコラボレーションコース」を2017年4月に新設しており,江見准教授は,KCGI非常勤講師で野菜プラネット協会の小林信三先生,それにマクセル株式会社の技術担当者と共に,このコースで机上投射型電子型黒板システムの活用法について研究・開発を進めており,eラーニングへの応用が今後さらに期待されています。