松下電器産業株式会社 本社 情報企画グループ グループマネージャー の矢島孝應氏を招いて,NAIS特別講演会が6月12日(火)に京都情報大学院大学百万遍キャンパスで開催された。
当日はNAIS会員をはじめ京都情報大学院大学,京都コンピュータ学院の学生を含む約70名が参加し,松下電器がITを活用しての経営改革でいかに2001年の営業赤字から2006年度は4600億円の黒字に回復させたかの講演に聞き入った。経営改革以前の松下グループ内では競合があり経営リソースが分散し,重くて遅い体質であったのを,中村新社長(当時)の強いリーダーシップで「顧客満足・価値の追求」「軽くて速い経営の実現」「創造的時間の創出」を実行し,大型フラットテレビ等のヒット商品を生み出し業績を回復させた。
特に,ITと経営を研究する私たちにとって興味深かったのは,経営トップ自らが「IT革新なくして経営改革なし」とIT革新を推進し上記の経営改革を実現した点である。その背景には,中村新社長(当時)のアメリカ松下での経営経験があり,それをベースに日本のグローバル企業のあるべき経営管理システムを構築されたのであろう。
上田 治文