京都情報大学院大学(KCGI)の一般公開講座「コンテンツ産業特論」の1回目となる「コンテンツの全体像」は11月24日,京都情報大学院大学 京都駅前サテライト大ホールで開講され,KCGI講師で芝浦工業大学准教授の小山友介氏が日本のコンテンツ産業の市場やビジネスモデル,日本のアニメ文化などについて語りました。一般の方々や学生が大勢訪れ,耳を傾けました。
小山氏は「日本は経済的には没落したと言われているが,国が生み出すクールさ(Gross National Cool)で見た場合,世界の超大国である」と前置き。アニメやゲームなどの日本のヒット作品は,メジャーな企業や本,雑誌などからだけではなく,マイナーなメディアやアマチュアからも生まれてきているという現状を説明。日本のコンテンツが世界中から受け入れられる理由として,エロチック・暴力表現,宗教批判といった表現のタブーが少ないなどの「価値観の寛容性」や,「層の厚さ・多様さ」,「ジャンル(アニメ,マンガ,ゲーム,ラノベ,フィギュアなど)の幅広さ」を挙げました。そのうえで「世界的に強さを発揮している自動車,電機といった日本の製造業は,大手企業の技術力が高いだけでなく,小さな部品を作っている町工場のレベルが高いという特長がある。この点は日本のコンテンツ産業にも共通しているといえます。インターネットの普及・発展もあり,日本のコンテンツ産業には大きな可能性があるでしょう」と話しました。
一般公開講座「コンテンツ産業特論」は土曜日を利用し計3回にわたって開講し,アニメ,ゲーム,ファッションなどにおける同人活動を中心とした日本特有の文化を紹介します。その活動内容や市場,そしてさまざまな社会への影響などを考察し,各回異なる講師によるそれぞれの専門域の講座を行っています。受講料は一般が各回3,000円,学生は無料です(学生証の提示が必要)。
今後は◇クールジャパンとコンテンツ産業,12月15日,講師:中村 仁 氏(東京大学 特任講師,京都情報大学院大学 講師)◇マンガ・ゲームと同人活動,1月12日(土),講師:七邊 信重 氏(東京工業大学 特任講師,京都情報大学院大学 講師) ※時間はいずれも11:30~18:20(昼休み12:40~13:30) -の開講を予定しています。