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松尾 正信

Masanobu Matsuo

経歴

  • 京都大学工学士,(米国)カリフォルニア大学サンタバーバラ校修士課程修了(コンピュータサイエンス専攻)Master of Science,同博士課程修了,Ph.D.
  • 住友電気工業株式会社米国ソフト研究部門初代代表,株式会社京都テキストラボ共同設立者
 

メッセージ

ソフトウェアの将来にかける夢

教育とは,人と人の真剣勝負です。それは,学校だけではなく,家庭,会社,組織,社会のあらゆる場で必要なものであり無限に広がっています。

ソフトウェアは,今や,すべての人に平等に与えられるものであり,人と人の間にあって,今まで不可能であったコミュニケーション,情報の処理,知識の伝達と集積を行うための手段となっています。しかしながらその恩恵を得ている人たちはあまりにも少ないのです。最新の情報機器を持っていても,その機能の5%も使っている人はいません。

なぜなら,使いたいソフトウェアが不足しているからです。あるいは,ソフトウェアで何ができるのか想像できないからです。ソフトウェアは姿かたちを変えながらなかなかとらえがたい存在になりつつあります。そのようなソフトウェアの真の姿を探求するためにみなさんといっしょに旅に出たいと考えています。

日々,変化,進歩しているソフトウェアを探求するためには,そのバックグラウンドにある,先人たちの研究,発見,発明したものを学びながら,それを活用しなければ多くの無駄な時間を使ってしまいます。また,それを知らなくても未知の世界に飛び込む勇気が必要です。壁にぶつかって初めて先人たちの苦しみを体験できます。

日本では特に,ソフトウェアに関わる若者たちの流行が大きく変化し,プログラマというのはソフト業界の底辺をささえる過酷な労働力という評価が固定され,優秀な若者がソフト業界から離れていく,という風潮があるようです。一方ソフト業界の企業は,安い知的な労働力を求めてソフト開発の拠点をアジアの方に移行する現象が続きます。このような下に落ちていくサイクルをストップし,上昇への竜巻に変革する努力が私たちには必須です。

「ソフトウェアは何なのか,何ができるのか?」という原点からの問いかけを,真剣に考える若者を望んでいます。

ソフトウェアは,突然現れたのではなく,数学,計算機科学,経営学など多くのアカデミックな世界で築かれた土台の上に成り立つものです。そのことを理解しながら,新しいアプリケーションを作り出す,利用する,人に教育する,ビジネスにする,という活動をどのようにしたらいいのかをいっしょに学びませんか?

それをできる人たちが未来のビジネスを創り出せるのです。

そのためには,人間をさまざまの側面から観察することからはじめるのがいいと思います。まず,井の中の蛙の存在から,大空を飛ぶ鷹になって,世界中を空から眺めてください。そこには,今まで想像しなかった多くの世界を見つけることができます。

そこから新しいソフトウェアの世界が,かすかながらも見えるかもしれません。

みなさんといっしょに学べることを楽しみにしています。

担当科目

  • 医療情報システム設計
  • ソフトウェア工学
  • オナーズマスター論文