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中口 孝雄

Takao Nakaguchi

経歴

  • 京都コンピュータ学院卒業,京都情報大学院大学応用情報技術研究科修了,情報技術修士(専門職),同大学院首席修了,京都大学大学院情報学研究科博士後期課程修了(社会情報学専攻),博士(情報学)
  • 元株式会社Admax取締役兼システム開発部マネージャ,元国際電気通信基礎技術研究所(ATR)人間情報通信研究所(HIP)客員研究技術員,元株式会社アントラッド最高技術責任者,元株式会社@泉最高技術責任者,元NTTアドバンステクノロジ株式会社主査,元京都大学大学院情報学研究科特定研究員,株式会社コネクションズ代表取締役

メッセージ

私が京都コンピュータ学院の国際情報処理科に在籍していた20年前は,ちょうどインターネットが一般社会へ広まり始めた時期でした。学科のカリキュラムの一環で米マサチューセッツ州ボストン市に滞在し,MIT(マサチューセッツ工科大学)のラボを見学して,当時発表されたばかりのWebブラウザ,Mosaicのデモを見せていただきました。当時のインターネットは文字が中心でしたが,Mosaicには写真や装飾された文字が表示されており,その表現の豊かさに衝撃を受け,Web技術によって社会が変わることを確信しました。自分もこのようなソフトウェアが作りたいと思い,卒業制作のテーマに選んで自力でWebブラウザを開発しました。最低限の機能を動作させるだけでも数カ月かかり,非常に苦労したことを覚えています。同学科を卒業後,10年間ソフトウェアエンジニアとして働き,2004年4月,創立されたばかりの京都情報大学院大学に入学しました。MITでMosaicを見た時の確信は的中し,その後10年の間にインターネットを利用した新しいビジネスが次々と生まれており,これからの情報化社会で活躍するためには,情報技術の知識に加えてビジネスの知識も備える必要があると考えたためです。

京都情報大学院大学修了後もソフトウェアエンジニアを続けましたが,国際化社会における言語の壁にサービスコンピューティングのアプローチで取り組む,言語グリッドプロジェクトに参加したことをきっかけに,技術を使うだけではなく,必要な技術を生み出したいという気持ちが強くなり,徐々に研究的な志向を強めました。そして2014年4月に京都大学大学院情報学研究科に研究員として転職,2017年9月に同研究科で博士号を取得しました。IT業界は非常に進歩が早く,大学のラボで見た技術が数年後には一般社会であたりまえに使われているようなところです。プログラミング技術の進展も目まぐるしく,20年前には何カ月もかかって開発していたWebブラウザは,今では十数行のプログラムで実現でき,最近話題の人工知能でも,例えば写真に写っている物体を解析するシステムが1日で構築できてしまいます。

このような進歩の早い業界で活躍するには,幅広い視野を身につけるとともに,情報技術についても深く理解する必要がありますが,京都情報大学院大学のカリキュラムはまさにそのためにデザインされています。最新の技術を理解し,それを使いこなすための具体的な手法を学びながら,同時に社会にイノベーションを起こすためのビジネスプランの作成方法なども学ぶことができます。本学で刺激的で充実した2年間を過ごし,ぜひ未来を創る人材としてステップアップしてください。

担当科目

  • オブジェクト指向プログラミング

専門分野

  • サービスコンピューティング
  • Webサービス
  • アスペクト指向プログラミング

業績

著書

  • 真栄城 哲也, 樋口 直史, 中口 孝雄, "楽曲の自動表情付けシステムMorPH Musical Performance Humanizer", Bit(Tokyo)32巻8号, pp. 15-21, 共立出版, 2000.
  • まつもとゆきひろ, 石塚 圭樹, 金光 雅夫, 中口 孝雄, "Rubyを256+倍使うための本 紅玉制覇編", アスキー, 2001.
  • もりきゅう, 中口 孝雄, 田辺 敬勝, たけ(tk), 木村 高広, "Rubyを256倍使うための本 黄道編", アスキー, 2001.
  • Yohei Murakami, Donghui Lin, Masahiro Tanaka, Takao Nakaguchi, Toru Ishida, "Service Grid Architecture", Toru Ishida (eds.) The Language Grid: Service-Oriented Collective Intelligence for Language Resource Interoperability, Cognitive Technologies Series, Springer Berlin Heidelberg, pp. 19-34, 2011.
  • Ari Hautasaari, Toshiyuki Takasaki, Takao Nakaguchi, Jun Koyama, Yohei Murakami, Toru Ishida, "Multi-Language Discussion Platform for Wikipedia Translation", Toru Ishida (eds.) The Language Grid: Service-Oriented Collective Intelligence for Language Resource Interoperability. Cognitive Technologies Series, Springer Berlin Heidelberg, pp. 231-244, 2011.
  • Takao Nakaguchi, Yohei Murakami, Donghui Lin, Toru Ishida, "Language Service Composition based on Higher Order Function", Yohei Murakami (eds.) Services Computing for Language Resources, Cognitive Technologies Series, Springer Berlin Heidelberg, 2017.(出版予定)
  • Masayuki Otani, Nguyen Cao Hong Ngoc, Takao Nakaguchi, Donghui Lin, "Language Mashup: Personalized Language Service Platform", Yohei Murakami (eds.) Services Computing for Language Resources, Cognitive Technologies Series, Springer Berlin Heidelberg, 2017.(出版予定)
  • Yuu Nakajima, Ryutaro Otsuka, Reiko Hishiyama, Takao Nakaguchi, "Gaming Simulation for Language Service", Yohei Murakami (eds.) Services Computing for Language Resources, Cognitive Technologies Series, Springer Berlin Heidelberg, 2017.(出版予定)

学術論文

  • Takeshi Makino, Ryan Chiu, Ryota Adachi, Takao Nakaguchi, Hong Seung Ko, "A Strategic Royal Marketing Model on e-Business as a new generation marketing model", NAIS Journal, Vol.1, 2005.
  • 神垣 智一, 饗場 繁, 藤田 和也, 山下 泰芳, 宮本 慎, 中口 孝雄, 広瀬 誠, 高 弘昇, 内藤 昭三, "プライバシ保護の一手法の提案", NAIS Journal, Vol.2, 2007.
  • 中島 悠, 菱山 玲子, 中口 孝雄, "MAGCruise:マルチエージェントモデルに基づくゲーミング環境", 電子情報通信学会 和文論文誌 D, Vol.J98-D, No.6, pp.858-861, 2015.
  • 高崎 俊之, 肥田 昌平, 大谷 雅之, 中口 孝雄, "児童のための多言語議論支援システムのユーザインタフェース設計", 電子情報通信学会 和文論文誌D, Vol.J99-D No.10, pp.1013-1021, 2016.
  • 中口 孝雄, 村上 陽平, 林 冬惠, 石田 亨, "高階関数を導入した階層的サービス合成記述", 電子情報通信学会 和文論文誌B, Vol.J99-B No.10, pp.834-842, 2016.
  • 中口 孝雄, 大谷 雅之, 高崎 俊之, 石田 亨, "国際シンポジウムのための多言語支援システム", 情報処理学会 論文誌, 第58巻1号, 2017.
  • 中口 孝雄, 村上 陽平, 林 冬惠, 石田 亨, "サービス基盤の連邦制運営のための情報共有・実行制御アーキテクチャ", 電子情報通信学会 和文論文誌B, Vol.J101-D, No.1, 2018.(掲載予定)

招待論文

  • 林 冬惠, 石田 亨, 村上 陽平, 大谷 雅之, 中口 孝雄, "言語グリッドを用いた多言語農業支援", 電子情報通信学会和文論文誌B, 2016.(招待論文)

国際学会・査読あり

  • Takeshi Makino, Ryan Chiu, Ryota Adachi, Takao Nakaguchi and Hong Seung Ko, "A Strategic Royal Marketing Model on e-Business as a new generation marketing model", IFORS, Honolulu, Hawaii USA, Jul. 11-15, 2005.
  • Shozo Naito, Hong Seung Ko, Makoto Hirose, Takao Nakaguchi, "Development of proxy server for protecting privacy by distributing information", European Conference on Operational Research, 2006.
  • Yohei Murakami, Toru Ishida, Takao Nakaguchi, "Infrastructure for Language Service Composition", Semantics, Knowledge and Grid(SKG), 2006.
  • Toru Ishida, Akiyo Nadamoto, Yohei Murakami, Rieko Inaba, Tomohiro Shigenobu, Shigeo Matsubara, Hiromitsu Hattori, Yoko Kubota, Takao Nakaguchi, Eri Tsunokawa, "A Non-Profit Operation Model for the Language Grid", International Conference on Global Interoperability for Language Resources(ICGL), 2008.
  • Yohei Murakami, Donghui Lin, Masahiro Tanaka, Takao Nakaguchi, Toru Ishida, "Language Service Management with the Language Grid", Language Resources and Evaluation(LREC), 2010.
  • Nguyen Cao Hong Ngoc, Donghui Lin, Takao Nakaguchi, Toru Ishida, "QoS-Aware Service Composition in Mobile Environments", International Conference on Service Oriented Computing & Applications(SOCA 2014), pp. 97-104, 2014.
  • Toru Ishida, Yohei Murakami, Donghui Lin, Takao Nakaguchi, Masayuki Otani, "Open Language Grid-Towards a Global Language Service Infrastructure", Academy of Science and Engineering, 2015.
  • Masayuki Otani, Takao Nakaguchi, Donghui Lin, Yohei Murakami, Toru Ishida, "Language Mashup: Personal Grid for Language Resources", The Second International Workshop on Worldwide Language Service Infrastructure(WLSI2015), 2015.
  • Yuu Nakajima, Reiko Hishiyama, Takao Nakaguchi, "Multiagent Gaming System for Multilingual Communication", International Conference on Culture and Computing, 2015.(demo paper)
  • Nguyen Cao Hong Ngoc, Donghui Lin, Takao Nakaguchi, Toru Ishida, "Towards a Language Service Infrastructure for Mobile Environments", 10th edition of the Language Resources and Evaluation Conference(LREC 2016), 2016.(poster session)
  • Takao Nakaguchi, Yohei Murakami, Donghui Lin, Toru Ishida, "Higher-Order Functions for Modeling Hierarchical Service Bindings", IEEE International Conference of Service Computing (SCC 2016), 2016.
  • Masayuki Otani, Toru Ishida, Yohei Murakami, Takao Nakaguchi, "Event Management for Simultaneous Actions in the Internet of Things", IEEE World Forum on Internet of Things(WF-IoT2016), 2016.
  • Yohei Murakami, Takao Nakaguchi, Donghui Lin, Toru Ishida, "An Ontology for Language Service Composability", The Third International Workshop on Worldwide Language Service Infrastructure (WLSI-3), 2016.
  • Takao Nakaguchi, Masayuki Otani, Toshiyuki Takasaki, Toru Ishida, "Combining Human Inputters and Language Services to provide Multi-language support system for International Symposiums", The Third International Workshop on Worldwide Language Service Infrastructure(WLSI-3), 2016.
  • Takao Nakaguchi, Yohei Murakami, Donghui Lin, Toru Ishida, "Federation of Language Service Infrastructures for Global Collaboration", The International Conference on Culture and Computing, 2017.

国内学会・査読なし

  • 真栄城 哲也, 樋口 直史, 中口 孝雄, "自動表情付システムMorPH", 情報処理学会 研究報告 「音楽情報科学」, 1999.
  • 中口 孝雄, 樋口 直史, 真栄城 哲也, "自動表情付システムMorPHの実装", 情報処理学会 研究報告 「音楽情報科学」, 1999.
  • 樋口 直史, 中口 孝雄, 真栄城 哲也, "スケールを用いた編曲法に関する考察", 情報処理学会 研究報告 「音楽情報科学」, 1999.
  • 中口 孝雄, 樋口 直史, 真栄城 哲也, "自動表情付システムMorPHの表情付記述言語", 情報処理学会 研究報告 「音楽情報科学」, 1999.
  • 和田 健之介, 和田 佳子, 中口 孝雄, 星 和明, 金子 勇, 石井 卓良, 黒田 大介, 西尾 泰和, "未踏プロジェクト - 現在じたばた真っ最中-", 情報処理学会 第43回プログラミング・シンポジウム(43-9), 2002.
  • 中口 孝雄, 廣瀬 誠, 山縣 敬一, "ネットワーク共有機能を実装するためのGUIを用いたアスペクトコード生成手法", システム制御情報学会 Proc. Of the 49th Annual Conference of the Institute of Systems, Control and Information Engineers(ISCIE), pp. 373-374, 2005.
  • 中口 孝雄, 廣瀬 誠, 山縣 敬一, "AOPとメタデータアノテーションを用いたネットワーク共有機能実装プロセスの自動化", 日本ソフトウェア科学会 第22回大会, 2005.
  • Ben Hassine Ahlem, 藤原 義功, 林 良彦, 菱山 玲子, 稲葉 利江子, 石田 亨, 喜多 千草, 松原 繁夫, 村上 陽平, 中口 孝雄, 中西 英之, 重信 智宏, 吉野 孝, "言語グリッド (Language Grid) の構想", 人工知能学会 全国大会第20回論文集, pp. 250-250, 2006.
  • 中口 孝雄, "Web サービス連携のためのアスペクト指向プログラミング", 情報科学技術フォーラム(FIT) 一般講演論文集, pp. 89-92, 2006.
  • 中口 孝雄, 村上 陽平, 灘本 明代, "複合Webサービスにおける動的バインディング-言語グリッド複合Webサービスの実装-", 情報処理学会 第69回全国大会, 2007.(大会優秀賞)
  • 村上 陽平, 重信 智宏, 中口 孝雄, 石田 亨, "言語サービス合成のための言語グリッドアーキテクチャ", 電子情報通信学会 総合大会, 2007.
  • 村上 陽平, 中口 孝雄, "言語グリッドサービスマネージャ:言語資源共有のための透過的な管理インタフェース(言語グリッド)", 電子情報通信学会 信学技報, vol. 108, no. 441, pp. 109-114, 2008.
  • 中島 悠, 菱山 玲子, 林 冬惠, 中口 孝雄, "多言語コミュニケーション分析のためのゲーミング環境", 情報処理学会 第75回全国大会, 2013.
  • 中口 孝雄, 村上 陽平, 石田 亨, "高階関数によるサービス合成", 電子情報通信学会 信学技報, vol. 115, no. 393, pp. 31-36, 2016.
  • 肥田 昌平, 高崎 俊之, 大谷 雅之, 中口 孝雄, "児童の多言語ワークショップにおけるコミュニケーションの分析", 電子情報通信学会 信学技報, vol. 115, no. 468, pp. 35-40, 2016.
  • 中口 孝雄, 大谷 雅之, 石田 亨, "国際シンポジウムのための多言語支援システムの開発", 電子情報通信学会 信学技報, vol. 115, no. 468, pp. 23-28, 2016.
  • 山崎 陽平, 中口 孝雄, 大谷 雅之, 石田 亨, "Wizard of Oz法を用いた多言語支援用連携入力方式の分析", 電子情報通信学会 信学技法, 2017.

獲得した研究助成

  • 情報処理推進機構 未踏ソフトウェア創造事業「双方向型ネットワーク対応仮想空間共同構築システム」共同開発者, 2000.
  • 情報処理推進機構 未踏ソフトウェア創造事業「双方向通信型3Dワールドシミュレーター」共同開発者, 2001.
  • 情報処理推進機構 未踏ソフトウェア創造事業「XML通信を基盤としたオブジェクト共有・オーナー管理システム」代表者, 2002.

受賞

  • 京都コンピュータ学院 卒業生優秀賞, 1995
  • 情報処理学会山内奨励賞, "未踏プロジェクト - 現在じたばた真っ最中-", 2002.
  • Night for Java Technology 2004 Apple Inc.賞, "WhiteDog System and WhiteDog Studio", 2004.
  • 京都情報大学院大学 卒業生最優秀賞, 2006.
  • 情報処理学会大会優秀賞, "複合Webサービスにおける動的バインディング -言語グリッド複合Webサービスの実装-", 2007.