京都情報大学院大学(KCGI)には,在学中を含め,起業に踏み出したり,若くして経営を担う修了生も少なからずいます。ビジネスチャンスを見つけ,大きな志を抱き,果敢にチャレンジした彼らは,今もなお前だけを向いて歩を進めています。
甘竹さん
株式会社スタッコ 代表取締役
2010年3月 修了
龍谷大学 文学部哲学科出身
父親の仕事の縁で,学生時代にイタリアの漆喰の輸入・施工会社を自ら設立。サラリーマンと並行している時期を経て,現在は自社の業務に特化, KCGIで得た知識と技術を活かしてIT関連の業務を次々と加え,「家業」を大きく拡大させた。新規事業にも果敢に着手するなど,ビジネスの世界で大きく羽ばたこうとしている。
父親が長年,左官工事を手掛けています。あるとき,取引のあったイタリアの漆喰を輸入する会社から譲渡の話が持ち上がり,まだ学生だったのですが,それを引き受け自らが代表取締役となって株式会社スタッコを立ち上げました。一方,KCGI修了後には住商情報システム(現SCSK社)に入社しSAPコンサルタントを担当,仕事を並行して進めていました。2017年からは自社のみに絞り,漆喰関連の建築業務をWebによるデザイン提案などを加えるなどして拡大したほか,SAPコンサルタント,Webサービス・システム構築も新たな業務として開始し,現在に至っています。Web関連では経済産業省からの補助を受け,サブスクリプションサービスを集めるポータルサイトを開発中です。いずれもKCGIで学んだ知識や技術が活かされていると感じています。特にSAP関連では,今でもKCGI時代の講義資料を紐解くこともあるほどです。
大学で哲学科でしたが,「何となく選んだ」に過ぎませんでした。卒業後に就職しようとしたところ思うようにいかず,それなら「手に職を付ける」といった気持ちで,以前から興味があり好きだったコンピュータ関連の知識と技術をあらためて学び,将来につなげていこうと考えました。情報系の大学院をいくつか調べたところ, ERP関連の科目があり,ビジネス系のカリキュラムが充実して他を圧倒していたところにひかれ,KCGIを選んで入学することにしました。SAPのコンサルタントの資格を取ることをKCGIで学ぶ中での第一の目標に掲げました。
「アカデミズムよりプラグマティズム」。KCGIでまず実感しました。研究大学院とは全く異なり,常に「ビジネス」「社会にどう役立てるか」を意識した講義ばかり。企業の第一線で活躍された教員陣がそろい,学生に実践社会の生の情報,向き合い方などを熱く語り掛けます。刺激的な毎日で,興味をひかれる新しいジャンルが次々と私の前に現れてきました。一方,講義「リーダーシップセオリー」の一環で,教員と学生のコミュニケーションの場となる「バー」の開設にも携わることができました。「大学院にバーをつくる」という発想,それを実現してしまう雰囲気は衝撃的であり心地良く,忘れられない思い出です。(談)
蔡さん
深圳基本半導体(有)副社長
2008年3月修了
京都コンピュータ学院 メディア情報学科卒
KCG在学中に,KCGIの第1期生が中心となって立ち上げた,ウェブアプリケーションを企画提案する(株)At Izumi(アット イズミ)に入社。KCGI修了後,10年間の富士電機(株)勤務を経て2018年より現職。パワー半導体事業などを手がける企業の経営者として営業およびマーケティングの両部門をゼロから立ち上げたほか,PR・技術サポートの部門を統括する。
中国の高校を卒業後,ITとプログラミングが学びたくて,まず京都コンピュータ学院(KCG)に入学しました。在学中,仲の良い先輩の「君も一緒にAt Izumiに加わらない?」との一言から同社に入社し,多くのプロジェクトに関わることができて「ご縁に感謝だ」と感じたものです。経営の神様・松下幸之助が「人と人とのつながりには,やはり個人的な意思を超えた,縁という深い力が働いている」と言っていて,これにはとても共感できます。当時の先輩たちとはFacebookなどを通じ,今でもやりとりしています。こうした経験から,「将来はさらにITを駆使したビジネスに携わりたい」という思いが募り,KCGI進学を決意しました。
ITとマーケティングを深く学びたかったので,進学後は可能な限り多くの授業を取りました。頼み込んで,1回生の後半から大手電機メーカーの元CIOである高弘昇教授のゼミに加わり,マーケティングのプロとしての経験や,ベンチャー立ち上げの実体験に基づく指導を受けました。
高教授に最初に言われた言葉が「やるなら覚悟して,最善を尽くしてほしい」。この教えは当時,すごく心に響いたので,今でも胸に刻まれています。高教授の指導や講義は,事前に聞いた評判通り厳しかったですが,2年間,英語の専門書の読み込みから海外での学会発表までをみっちりこなしたことで,英語力,ロジカルシンキング,マーケティング力の三つが着実に身についたと実感しました。修了後,富士電機(株)東京本社に10年間勤めましたが,入社6年で社内の企画職試験1級に合格。他の社員から「最短コースでの課長補佐就任だ」と驚かれ,他の実績と相まって社内外の人々と硬い信頼関係を築くことができました。
富士電機時代もそうでしたが,2018年に今の会社に転職し,副社長として営業・マーケティング部門をゼロから立ち上げていくにあたっては,困難や課題が常に多くありました。そんな中で,どんな難問も一つずつ着実に解決することができたのは,高教授の言葉や教えが心の支えとなっていたからにほかなりません。
現在,目先の目標としては,中国国内のビジネス拡大に優先して取り組んでいますが,将来的には海外進出も一歩一歩進めていきたいと考えています。韓国での売り上げが徐々に上がってきており,また,2020年上期に日本支社を設立します。学生時代から日中韓三国の架け橋になりたいとの思いがあり,その夢を実現するため,経営者として今の会社をグローバルに強い企業に育てていきたいと考えています。
10代や20代の若いときは,自分の夢ややりたいことが何なのかよく見えず,キャリアに迷いがちなものです。私もKCGIの後輩たちには「やるなら最善を尽くせ」という言葉を贈りたい。そして,その言葉の意味を深く理解し,実行していってほしいです。そうやって,直面する問題に真っ向から向き合い,それに懸命に取り組めば5年後,10年後には必ず大きな実を結びます。
河村さん
株式会社イーパス(起業)取締役
株式会社シードバンク 経営戦略担当
2019年9月修了
京都大学 経済学部卒
大学を卒業後メガバンクに就職しながらも「『自分はこれができる』というものを何か見つけたい」と一念発起し,4年間の銀行員生活に終止符を打ってKCGIへ。融資など法人営業を担当した経験をベースにITを絡めた起業を実現しようと志高く,貪欲にさまざまなジャンルの知識を追求,吸収。また,KCGIに多く在籍する実務経験が豊富な教授陣と,やり取りを繰り返しながら実践経営についての知識を着実に積み上げ,ビジネス開始のチャンスをうかがった。そして在学中,京都大学MBAの仲間6人とともに人材紹介の会社を起業,さらには微細藻類を研究する企業に経営戦略担当として招かれ事業ベースへの目処を立てるなど,KCGIで得たものを早くも活かし始めた。「楽しくてたまらなかった」というKCGIでの2年間は河村さんの将来展望に強い明かりを灯した。
銀行では融資など法人営業を4年間担当しました。業務を続ける中,フィンテックの進歩を目の当たりにするとともに,何か「自分はこれができる」というものを見つけたいと感じるようになりました。人生を一度リセットするため大学院で学ぼうと考えていたところ,自分が専門である経営分野の知識を活かしながら,文系理系にとらわれずITのことが学べるKCGIの存在を知り,銀行を退職して入学しました。妻やその親も理解してくれました。「未来IT人材育成奨学制度」が利用できるというのも,私の背中を押してくれましたね。
KCGIは学べるジャンルが幅広くあるのが特長だと思います。銀行勤務時代とは見える世界ががらりと変わりました。フィンテックや農業ITのほか,ERPなどにも目を向けるのと同時に,データベースやR言語,Pythonなど貪欲に知識を追い求めました。IT関連の講義は専門外なのでちゃんと理解できるかどうか心配していましたが,先生方が歴史からしっかり説明してくださるので,スムーズに吸収できました。また,民間企業で豊富な実務経験のある先生が多くいらっしゃったので,自分が目標とする起業に向けたアドバイスをいただく機会も得られました。オフィスに座って電話を待っているだけのことが多かった銀行員時代に比べ,KCGIでの2年間は日々充実し,楽しくてたまらないといった表現がピッタリでした。マスタープロジェクトでは,商品情報をゲーム理論や金融の手法を使って示すというテーマに取り組みました。野菜や果物といった農業製品の流通において,マージンが高くなることなどから卸売市場の不要論が唱えられることがありますが,農業製品が農家から直で店頭に並べられることになるとどのような問題が発生するのか,単純にコストダウンするということにはならないのではないか,そのような内容です。
KCGI在学中に京都大学出身の仲間6人とともに,人材紹介の株式会社イーパスを設立しました。後継者のいない企業と,経営者になりたいがチャンスが無い人とをマッチングさせ,日本がこれまで築いてきた資産を守り続けていこうという事業趣旨で,私はシステム部門を担う取締役として事業開始に向けデータベースの作成など準備に追われています。ゆくゆくは経営者を目指すKCGIの学生を対象にしたいとの夢もあります。また,微細藻類を研究しながらもビジネスにまで枠を広げ切れないでいた株式会社シードバンクに経営戦略担当として招かれ,事業・財務戦略の策定と,データベース構築やウェブサイトの構築,顧客への提案を主に任されています。「微細藻類で世界を変えたい」,そしてゆくゆくは上場したいという大きな目標を掲げています。さらに日本文化関連の一般社団法人での情報管理部門での業務にも力を注いでいます。今やビジネスでITが重要な役割を担うことは言うまでもありませんが,チャンスが限りなく広いということが実感できます。ITはチャレンジするハードルがもともと低いですが,KCGIで学び自分のアイデアをITで具現化できるようになると,それがまたげるくらいまで下がります。私から後輩の皆さんに「とにかく飛び込んでみて!」とのメッセージを送ります。(談)
多数の起業家を輩出!
劉さん
銘東(株) 代表取締役
2013年9月修了
中国・山東青年政治学院卒
中国を中心とした顧客が日本の通販サイトを利用して買い物をする際に日本の住所を提供していったん商品を集め,万全の梱包をして中国へ発送するという転送事業の会社を設立して7年目を迎えた。中国人の高い購買意欲に着眼したことが奏功し,売上高は右肩上がりを続け,2018年8月期は20億円超を達成。国際郵便利用金額は近畿圏でトップ,日本全国でトップ2にランクされ,日本郵便株式会社から感謝状を受けた。大阪東郵便局内に設けている約2500平方メートル,そのほか大阪市内や,新規に確保した東京・神田神保町と神戸市の2カ所を合わせた巨大な物流センターは,常に製品であふれる。「転送業者としての信頼を高めたい」とX線検査機を2台導入し,出荷前のチェックを怠らない。新たな事業分野として始めた越境通販(EC)事業が軌道に乗りつつあるほか,中国の有力物流業者や行政と組んでの関連会社,カスタマー,システム開発を手掛ける中国の現地法人,在日外国人が日本で起業する際にサポートする「銘東ソリューション株式会社(日本)」を設立するなど,事業規模はさらに拡大中。社員にはKCGIの修了生も多くいる。
日本への留学を夢見て,大学では日本語を専攻しました。卒業後に地元・山東省のホテルで勤務,フロント係をしていた頃に,常連客で貿易会社を経営する日本人と仲良くなり,いろいろな話を聞かせてもらっているうちに,自分も将来は日中間貿易の仕事がしたい,と強く思うようになりました。コンピュータにも興味があり,独学でしたがプログラミングの知識も多少ありましたので,留学のチャンスが訪れたとき,経営学がITと関連付けて学べるKCGIを選びました。「第1の夢」がかなったわけです。
入学後は財務会計関連のシステム開発や,経営学,ウェブビジネスなど,興味を引く講義ばかりで,楽しみながら懸命に学びました。他の中国人留学生と仲良くなり話し相手がいたので,日本での生活に対する不安は和らぎましたね。一方,将来,日中間貿易の仕事に携わるのなら,日本語のレベルをより上げなければならないと思い,勉学の合間を見つけてアルバイトをし,少しでも多くの日本人と会話するように努めました。マスタープロジェクトでは,もちろん「国際貿易」をテーマにしました。
次は「第2の夢」を実現する時です。修了後は正直,日本で就職するか,中国に帰るか迷いましたが,KCGIで学んだことを活かすべきだと判断し,起業に踏み切りました。設立したのは,貿易や輸出入代行,eコマース販売企画などを手掛ける銘東株式会社です。「故郷・中国の東の地で,名(銘)声を上げたい」。そんな思いを社名に込めました。当初は,私が日本人ではないので,関係者から信頼を得るのに苦労しました。でも粘り強く,誠意を持って自分のビジネスプランの説明を繰り返したところ,日本郵便株式会社との業務提携が実現,大阪東郵便局営業集荷推進部内に事業所と物流センターを開設するに至りました。KCGIで学んだことを実践で活かしながら,頑張っています。今後は,中国はもちろん,台湾や韓国などにも拠点を起き,日本の製品を全世界に届ける仕事をしたい。そして10年以内に東証一部に株式上場したい。これが今抱いている「第3の夢」です。上場はようやく視野に入り,「夢」から「目標」に変わりつつあります。(談)
鹿間さん
合同会社アイシー ディレクター
2007年3月修了
追手門学院大学 文学部卒
KCGI在学中に,環境商材の取り扱いを主な事業とする会社を設立。当初は大阪府枚方市のインキュベート施設を利用してスタート。「照明士」の資格を得て,企業の事業所や工場におけるLED導入のコンサルタントとして勤しむ。クライアント企業の海外進出を支援する事業も始まり,国内外を飛び回る。
嫁ぎ先が印刷の町工場でした。業界はOA化の波に直撃され,伝票類のペーパーレス化や組版・写植もMacでの作業になるなど,どんどん環境が変わっていくというのに,町工場の対応には限界があり,事業を任された私は「これから生き残っていくには,どうしたらいいのだろう」と途方に暮れていました。「迷ったときには深く学ぶに限る」という信念のもと,システム関連と経営戦略の両方を学べるKCGIを新聞広告で見つけ,一念発起して入学しました。「小さくてもオンリーワンになりたい」「他の人にはできない仕事をしていきたい」。そんな志を強く抱いてのスタートでした。
KCGIではまず「経営とは何か」を基礎から学ぶとともに,マスタープロジェクトでは大手電機メーカーの元CIOだった高弘昇教授から指導を受けました。高教授から叩き込まれたのはオペレーションズ・リサーチをベースにしたロジカルシンキングとCRM。実務経験に基づく講義と徹底した実践によって「穏便に」「曖昧に」といった日本的な考えから解き放たれたことで,印刷工場の今後の方針を決める際にも冷静かつ客観的な視点を持つことができました。講義やプロジェクト指導で課せられた膨大な量の英語論文の読み書きも大変でしたね。国際学会での発表という機会もいただき,ビジネス英語に対する苦手意識克服にもつながりました。KCGIの日々はまさに格闘と発見の連続でしたね。
KCGIではほかにも,リーダーシップ論・組織論,オブジェクト指向,プロジェクトマネジメントなど多くのことを学び,経験することができました。私にとってKCGIは「知識を得る場所」ではなく「ビジネスマインドをつくり上げる場所」だったと確信しています。印刷工場を円満に整理し,新たなビジネス展開を目指して環境商材を扱う会社を設立する-入学前の私なら考えられなかったことです。4年間の学びとそこで培った人脈が,私を「起業家」に変えてくれました。社名「アイシー」の意味は「かしこまりました」。お客さまの声に耳を傾け,誠意を持って対応したいという思いを込めました。迷ったときはKCGIでの日々を思い出し,さらに学びを深めることで,常に自信を持って「アイシー」と言える私でいたいと思います。(談)
高田さん
(株)アルバス 取締役ITコラボレーション推進部 部長
大阪学院大学 非常勤講師
2010年3月修了
京都文教大学 人間学部卒
学生時代にウェブサイト制作の会社を起こし,その後,介護や農業の分野にも事業を拡大している。
大学時代は臨床心理士になろうと勉強していましたが,臨床心理の分野は制度的にまだまだ未成熟な面があると思い魅力が薄れ,他の道を考えるようになりました。卒業後は,参議院議員の秘書として東京で勤めながらITについて勉強しようと大学院を探しましたが,仕事をしながらでは体力的にもきつく勉学も中途半端になると思い,秘書を辞め,地元に帰ってKCGIに入学することを決めました。ITだけでなくマネジメントの両方が学べるというのが進学先に選んだ大きな理由でした。さらには,トレンドのとらえ方が身につけられたらとも思っていました。
KCGIでは,高弘昇教授の指導でCRM関連のプロジェクトを実施しました。データの分析手法やモデリングなど密度の濃い研究をすることができたと思っています。米・サンディエゴで開かれた国際学会で発表する機会も得ました(修了後にもポルトガルで開催された同学会で発表)。ベトナム人の同級生を含めた3人での参加でしたが,非常に良い経験ができました。今後IT業界で勝ち抜いていくためには,国際感覚が必要不可欠ですので,その面においても貴重だったと感じています。私にとってKCGIは,論理的な思考を植え付けてくれ,目標達成に導いてくれる存在です。
在学中,研究がひと段落したときに,ウェブの制作を手掛ける会社を起こしました。実践を経験した方が,きっと技術力は高まると思ったからです。当時,若いうちは失敗してもリカバリーできる,苦労は買ってでもせよなどと自分に言い聞かせていたのが思い出されますね。法人登記手続きの煩雑さや,起業してからの経理処理などは苦労しましたが,そのころはウェブサイト制作の需要が非常に多く,やりがいを感じながら仕事をしました。その後は事業分野を拡大し,居宅サービス提供実態の透明化に向けた事業のシステム構築や,介護実績をiPadやiPhoneで管理する「ケアシステム」の導入,それに農業ITなどを手掛けています。これからますます重要になってくる福祉や農業の分野。少しでも役立てたらと思っています。KCGIで学ぶ皆さん,もしやりたいことが見つかったらどんどん起業にチャレンジしてみてください。(談)
張さん
株式会社PLT設立者 マネージャー
2013年9月修了
大連外国語学院 軟件学院卒
KCGI修了後に東京のIT関連企業に就職しシステム開発を担当しましたが,仕事のやり方があまり自分に合わず,馴染めずにいました。同じような思いを持った同僚たちと2015年,東京・大塚にソフトウェア開発やシステムコンサルティング事業を主に手掛ける会社を設立し,その後2019年12月,さらに独立する形で足立区に株式会社PLTを,自らが全額出資して立ち上げました。取引先に常駐してのコンサルティングやシステムの運用保守などの業務を担っています。まだ会社ができて間もないため社員が少なく,しかも新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けてなかなか業務を拡大するに至りませんが,顧客の信頼を得ながら,ベストソリューションを提供していけるよう努力していくつもりです。近く私が代表取締役に就く予定です。
中国・大連の大学ではソフトウェア開発と日本語を学びました。その後地元の企業に就職したのですが,やはり世界を見てみたいという思いに駆られ,留学を決意しました。将来はITビジネスの世界で頑張りたいと思っていましたので,研究系ではない専門職大学院で学びたいと考え,KCGIへの入学を決めました。祖父は京都大学に留学経験がありますが,そのとき同じ研究室にいた方がKCGIの教員にいらっしゃるのも縁です。 入学後,日本語に苦労しましたが,友人と居酒屋でアルバイトを始め,日本人と触れ合ううちにその苦労は解消されていきました。学生生活では先生方が親切に接してくれたこともあり,和気あいあいと有意義な時間を過ごせました。
中国人は技術を持っていても,日本の企業に就職するのはなかなか難しいという経験を自らしました。KCGIの修了生を仲間に加えるなどして,会社をもっともっと大きくするのが目標です。そのような海外の優秀な人材の受け皿になりたいと考えています。(談)
同級生でいっしょに働く張さんと朱さん
朱さんのインタビューは「修了生の声」をご覧ください。
2015年度にKCGIがIPAの「IT起業家育成カリキュラム協力機関」に
京都情報大学院大学(KCGI)は,独立行政法人情報処理推進機構(IPA) IT人材育成本部 イノベーション人材センターの「大学等におけるIT起業家等の人材育成に係るIT起業家等教育モデルカリキュラムの策定・試行・評価等への協力教育機関」の一員です。KCGIがこれまで,IT企業経営者自らによる講義・実習を通じて,多数のIT起業家を輩出したことが評価され2015年に選定されました。
IPAは経済産業省からの委託を受け,みずほ情報総研株式会社と連携して,ITベンチャー等によるイノベーション促進のための人材育成・確保モデル事業のうちの「大学等におけるIT起業家等の人材育成事業」を実施しています。