概要
データサイエンスは,最近,注目されるようになった情報系の分野です。最近,大規模な蓄積データを種々のIT応用分野で効果的に活用する為の必要性が叫ばれるようになっています。そのためのデータ管理技術,データ分析法を研究・教育する専門分野です。データ管理・データ分析に関しては,早くからデータベース技術や統計解析法が広く用いられてきましたが,最近の爆発的に出現する巨大データ(ビッグデータ)を扱うためには旧来の技術では対応できなくなり,ハードウェア分野でもソフトウェア分野でもさらに高度なデータ処理技術が必要となっています。
データサイエンスではITの多くの分野で必要とされる授業科目が多くありますが,特に関連の深いのは人工知能(AI)の分野です。本学では,2021年に発足した人工知能専門分野でこれらの科目が用意されています。データサイエンス専門分野では,その学習目標を(広い意味での)ビジネス分野においています。先行カリキュラムにおける「ビジネスデータアナリティクス」専門分野を改編し,継続性を保っています。
目指す人材像
- 情報資源の抽出・活用(データマイニング),市場分析などを行うアナリスト
- 製品計画に関する助言や指針を提供するコンサルタント
- データに基づいて企業の戦略立案・推進などの意思決定ができるCIO
- 消費者行動の記述モデルと戦略/予測モデルの構築を行うCRMマネージャー
過去のマスタープロジェクトのテーマ
- コホート分析におけるe-カスタマー購買行動パターンモデルの検証
- パルモア型コホート分析によるプロモーション手段の分析
- AHPによる7Steps顧客行動プロセスにおける動機付与の重要度の分析
- クラスター分析による顧客タイプの戦略的な分類
- 中国からの利用が急増するインターネット通販を利用した商品購入の仕組みについて
- 製品・サービス開発でのUX(User-Experience)の重要性とその成功事例について
- 最適化した軽量CNNによる組織病理学的ながん検出
マスタープロジェクト担当教員の声
寺下陽一教授
私の指導するプロジェクトは,データの蓄積と管理・分析を行う手法の研究と実地経験です。基本になるのは従来からのデータベース管理技術でありますが,最近の大規模データ(ビッグデータ)の出現に対応して,新しいデータ管理技術の応用も体験してもらい,多くの先端ビジネス系IT企業で活躍できる人材の育成を目標としています。この専門分野の名称に示されているように,これらのデータ管理技術は「データサイエンス」と呼ばれるようになり, ITの基盤として今後ますます重要となる分野です。
マスタープロジェクト担当教員の声
今井恒雄教授
私が指導するプロジェクトでは,複数の企業にまたがるビジネスで,企業間での情報共有を柱としながら,最終顧客に高い満足度をもたらすための経営手法である「SCM」に関する具体的なテーマを設定し,課題分析,その分析に基づいたビジネスモデルを導き出します。また,モデルを実現するためのウェブアプリケーションを開発します。
本学の学生は,様々な経歴を持った人材の集まりです。お互い切磋琢磨し,自らの目指すキャリアを身につけて実社会で大きく羽ばたいてくれるものと信じています。